• 債務整理

Q.自己破産した場合、旅行ができなくなりますか?

  • 自己破産

破産法37条1項には、「破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。」とあります。そうすると、破産者は、破産の手続中、自由に旅行できないことになりそうです。

しかし、自己破産には、同時廃止(破産管財人が付かない手続き)と管材事件(破産管財人が付く手続き)の2種類があります。


同時廃止の手続きは、債権者に配当する財産がないため、破産手続きが開始すると同時に終結します。つまり、同時廃止事件では、破産法37条1項の破産者の居住制限は問題とはなりませんので、自己破産申立をしても自由に旅行できます。

管材事件の場合、裁判所は、旅行の必要性と破産手続きへの支障の有無・程度を考慮してその許可をするか否かを決定します。破産者には免責に関する調査に協力する義務がありますので、その義務に違反するような旅行は許可されません。
しかし、管材事件であっても、破産者がきちんと免責に関する調査に協力している限り、旅行が不許可になることはほとんどありません。