- 離婚
Q.支払義務者が養育費を別に支払っている場合の養育費?
2020.07.30
養育費は、権利者(請求する側)と支払義務者(請求される側)の収入を算定表にあてはめて算出します。(算定表は裁判所のHPを参照)
では、支払義務者が権利者以外の人に養育費を支払っている場合はどうなるでしょうか?
例えば、前妻の子に養育費を支払っている元夫に対して、養育費を求めるようなケースです。
算定表には、このようなケースの記載はないので、算定表の基となっている考え方から、養育費を計算する必要があります。
すなわち、算定表は、権利者と支払義務者の収入から通常の生活費(公訴公課、職業費、住居関係費等)を控除した額を「基礎収入」と考えています。
そして、算定表は、義務者の基礎収入からいくらを権利者に払うべきかを算出する時に、標準的な生活費指数を使って計算を簡略化しています。具体的には、親を100とした場合、生活費指数は0~14歳の子は55、15~19歳の子は90になっています。
このような考え方からすると、元夫が前妻の子と同居している場合には、前妻の子の生活費指数を考慮して養育費を決めることになるので、算定表より金額が減ります。
また、元夫が養育費を支払っている前妻の子と同居していない場合には、養育費の支払いを考慮しない見解(名古屋高裁決定平成28年2月19日)と前夫の基礎収入から養育費の支払額を控除する見解とがあります。ただし、後者の見解では、養育費の支払額が適正な額であることが前提です。