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Q.自己破産と資格制限

  • 自己破産

 破産法上は、破産者の職業や資格は制限されていません。しかし、様々な法令が、破産者の職業を制限しています。実務上、よく問題になるのは、警備業者、警備員(警備業法3条、14条)、生命保険募集人、損害保険代理店(保険業法279条)等です。また、破産者は、後見人、保佐人、補助人等にも就任することができません。

 では、破産者の資格制限はいつまで続くのでしょうか?

 資格制限は、免責決定の確定により消滅します(これを「復権」といいます。破産法255条1項)。同時廃止の場合、破産手続開始決定から免責決定確定までは約3か月半です(申立て~免責決定に約2か月半、免責決定の確定に約1か月)。管財事件の場合も、開始決定から免責決定確定までの期間はほぼ同じです。なお、債権者集会が複数回あった場合には、もっと時間がかかります。
 したがって、資格制限のある仕事をされている方が自己破産する場合には、破産の依頼から破産申立てまでは通常どおり仕事を行い、開始決定から復権までの約3か月半の間だけ仕事を休むか資格制限の関係ない部署で勤務する等の対応が必要となります。